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8/31(金)〜9/2(日)
インプロビゼーション(即興)
(ワークショップ)

レポ
「受け入れる」ということ
即興の極意を楽しんだ3日間



インプロビゼーションとは、
その場で作る即興演劇のこと。
国内第一人者を講師に迎え
めいっぱい楽しみながら、
新しい創作の可能性を味わいました。

初日(8/31)

輪になってのゲーム。左から2番目が絹川講師。常に楽しむ姿勢を、率先して体現していました。
軽く「インプロビゼーション」を説明後、
さっそく輪になって全員参加のゲーム。

拍手や見えないボールの伝達など、
この種のゲームは毎日実施。
だんだん複雑なルールになっていき
アイコンタクトの重要性が
日に日に強く感じられていきました。
この日の主なメニュー
[輪]
・アイコンタクトと拍手の伝達
・見えないボールほか数種類のもののキャッチボール
[グループ]
・ひとりが演じるところに他の人が少しずつ入ってふくらませる
[ペア]
・目をつぶった車役を、もうひとりが運転手役となって誘導する
・即興対話。相手の言うことを否定する。すると話が続かない。
続いて受け入れて話しを広げていく。話がどんどんころがって楽
しくなっていく。即興のツボとして実感
2日め(9/1)
この日はめいっぱい体を使うゲームもあれば、観ていてもわくわくするゲームもあるなど、かなり幅広く展開。コミュニケーションの基本も忘れずに、見せるインプロの一端を味わった。毎日複雑化していく「アイコンタクトで渡せゲーム」(筆者独断命名)も、意外にすんなり成功するのが気持ちいい。
この日の主なメニュー
[全員]
・お助けオニ・色オニ・ステイタスゲーム

[輪]
・リーダーを探せ!
・ビビリビビリバッ!
・見えないボールほか数種類のもののキャッチボール
・選んだ言葉を順番に言っていく。その手順が数ルート交錯していく。

[三人ひと組]
・二人が鏡になって同じ動作をする。もう一人が二人のうち一人に質問する。質問される人は質問に答えながら鏡を続けることになる。
[四人ひと組]
・ストーリーづくり。ひとりずつ順番に前までの話を受けて、ストーリーを続けていく。

[二人ひと組(他の人は全員観る側に)]
・目的当てゲーム。一人は自分の目的を、それと言わずにほかのことを言ったりやったりして、もう一人に分からせる。観ている人たちもその目的は知っている。知らないのはもう一人の人だけ。

[四〜五名グループ(他の人は全員観る側に)]
・場所当てゲーム。与えられた場所の止まった場面を三つ作り、観ている人たちに当てさせる。
最終日(9/2)

「なにやってんの?」グループで輪番連続。マイムする人に、別の人が「何やってんの」と声をかけたら、マイムの人はしていることと違うことを答える。声をかけた人がその答えのことを交替してマイム

「フリーズタッグ」これもグループで輪番連続。「フリーズ」の合図でストップモーションになった二人のどちらかと交替して新しい人が入り、フリーズしている人の形を活かして違うシーンを始める

「スペースジャンプ」グループごと。他のグループの演技をお互いに見学。ひとりのシーンから始まり、だんだん人数が増えていく。増えるたびに新たに入ってきた人の持ち込む発想で違う関係になる。全員が入った後は合図ごとに後から入った人が抜けていく。シーンは同じ人数の先のシーンの関係の続編的なものに戻す

参加者の声

 全く経験がないのでどんな事をするのか、自分にできるか不安でしたが、来てみて本当に良かったと思います。普段使わない頭を使って、どんどん想像力をふくらまして、創造していく面白さ、それと何ができるかわからない不安、緊張の中で、逆に何かが出来上がったときの達成感がとても心地良く、もっと自分の想像力もふくらませられるようになりたいと思いました。ゆりさんの、みんなをリラックスさせようとする気持ちとか、みんなで楽しもうみたいな気持ちとか大事だなって。ゆりさんまた来て下さい。


 始まる前は長時間だなーと思っていたけど、参加するとあっというまだった。今回初めて参加しました。それに教文会館にもはじめて来た。毎年やっているフェスティバルなんですね。来年もぜひ参加したいと思います。ゆり先生も“違う”とか“だめ”といった言葉を全く発することなく、全てを受け入れてくれて、なんだか自分の人生まで考えてしまいました。


 まず、参加して大変よかったです。お芝居をするという事はとても難しいものだと、辛いものだと思っていましたが、いざ自分達がやると楽しく、楽に出来たのがよかったです。即興という次々と変化してゆく芝居の形は見ている方もおもしろかったです。(やっている時は必死になってしまいますので、楽しいのかどうかわからないのですが)、とても意外性があったりしてそれがよいと思いました。ゆり先生も、とても気さくな先生でリラックスさせてもらえてのびのびと表現させてもらえてそれがうれしかったです。人は日常、否定されたりする事が多いものですが、相手の意見を尊重して受けとめる優しさや、それによって出来上がってゆく一体感、信頼感というのが3日間だけでしたが、心地よく感じられました。こうして人を認め、自分も認めてもらえるということが日々出来たらどんにすばらしいことかと思います。またゆり先生のワークショップがあればぜひ参加したいです。あっという間の3日間でした。知らない方々とも知り合いになれてよかったです。


 インプロのWSは2回目の受講なんです。いっぱいかきたいけどあとで

 楽しくて役に立つ、気楽なのりで参加できるワークショップでした。

 とにかく楽しかったです。自分でやっている時も、人のやっているのを見ていてもとても楽しめました。講師の方と、参加していた方々から「元気」をもらったという感じです。パワーを充電することができました。相手のやることを否定しないで受けとめる。これは今後、芝居をやる上でも、忘れないでいたいと思います。

 まず先生がよかった。内容も楽しくて勉強になることだったのでよかった。

フィナーレでの発表

急きょフィナーレで、受講生によるインプロ試技(?)をすることに。フリーズタッグほかいくつかのメニューを発表。絹川講師のサイドコーチング(声による交替などの指示)も、「見せる」ことを意識してかワークショップ中に比べ、かなり軽快・スピーディ(?)。この発表が好評だったこともあってか、ワークショップ後にも継続してインプロビゼーションを続けようというグループが、受講生たちの中から立ち上がった。カンパニー名は「即興組合」。すでに2002年1月にプレ公演を行っており、春には正式な旗揚げ公演を予定している。前回2000年フェスのワークショップを契機として生まれた「劇団セカンドライフシアター」に引き続き、またも教文演劇フェスティバルから新しい集団が生まれたわけだ。

   
絹川講師のメッセージ(初日終了後)
「真面目に真剣に取り組む姿勢を、参加者のみなさんから感じました。フィジカルで、クリエイティブで、自発的な方が多いので、メニューを大幅に変更し、シーンづくりを後半に取り入れました。全員の方に満足してもらえるようなプログラムメニューを考えるのに、いつも一苦労しています。みなさんの今後の活動に、このワークショップが生かせるものであるように!」